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映画と衣服の関わり

こんにちは。津川拓真です。

映画を作るにあたり、脚本や絵コンテもかいてキャスティングやセット制作も完了!さぁ撮り始めようとなってる方、大事なものを見落としています!衣装です。映画制作を始めたての方や経験が浅い方の中には、その時代の服の流行やキャラクターのイメージにマッチすれば良い、そう考えているかたもいる方もいらっしゃるかと思います。その考えも決して間違いではありません。ですが、衣装でもっと深くキャラクターの心情や何かしらの暗示を描写することも可能です。今回は、二つの映画から、映画内で衣装がどのように使われているか見ていきましょう。

一つ目の映画は、スターウォーズです。この映画にも単純ではありますが、衣装の色を変えることにより、話の展開やキャラクターを暗示している例が見られます。


エピソード4から6の旧三部作で見てみましょう。
この映画では、色でフォースのダークサイド、暗黒面との近さを色で表現しています。エピソード4では主人公のルークの服の色は、白です。これは、暗黒面とは遠く、純粋な様を描いています。ですが、エピソード5では、くすんだ灰色であり、エピソード6では、黒色です。これは、だんだんルークが暗黒面に染まって行く様子を示しています。事実、エピソード6では皇帝と対峙し、暗黒面の誘惑を受けています。ですが、この時、ルークは下に白い服を着ていたという話もあります。これは、ルークには父ベイダーと違って、暗黒面に囚われず、闇の中に光を見出すような描写だと推察できます。これに対して、双子の姉妹であるレイアは、全編通して白系の服を着ています。これは、兄ルークと違い自分の力に気づいておらず、暗黒面から遠いところにいるからだと考えられます。

一つ目の映画はかなり有名は話です。次に移りましょう。

二つ目の映画は、『ラ・ラ・ランド』です。この色彩豊かな世界観の作品は、その世界観を作るために実にたくさんの服が使われています。主人公のセバスチャンとミアの服だけで合計100回ほど着替えをしたという話もあります。そこで、セバスチャンとミアの服の色に着目してみましょう。

セバスチャン

まず彼が最初にミアとあった時にきていたのは青色のジャケットです。このシーンは最後の回想でも出てくるシーンですが、ちなみにこの時のミアの服の色も青色です。お互い、世の中にうんざりして、社会や今の自分に対して冷ややかな視点を持っています。その意味でも青色なのでしょう。
 そして次にミアと再開した時に彼が着ていた服は、黒のタキシードです。このシーンはパーティーであり、周りの人はカラフルな服を着ているのに、彼だけ黒色です。これは、自分は周りとは違うんだ、こんなところで一緒になってたまるかといった彼の心情を示しているように感じます。
 そしてミアと出会い、服の色がだんだんと淡い色、ベージュやブラウンになっていきます。これは、彼自身がミアに心を開き、今までとは違う自分になり、前進しようとしている暗示でしょうか。
 しかし、彼が旧友のバンドに誘われ、好きでもない音楽を演奏しているときの彼の服装は、黒色です。これは、先ほども触れたように、やはり彼自身のやりたいことをやれていない、これは自分の音楽ではないという感情が、何色にも混ざらない黒で表現されているのではないでしょうか。
 そして、ミアと別れて歳月が経ったあと、二人が再開するところで、彼が着ていたのは、フラウンのジャケットです。これは彼がミアと出会って、以前に比べて社交的になり、前向きで前進できていることの象徴ではないでしょうか。

ミア
 まず彼女がセバスチャンと最初に会った時着ていたのはのは、青色のドレス。これは先ほども述べたように、お互い社会や何かにうんざりした冷ややかな視線を持っていることの表れだと感じます。
 ミアの服は冒頭から、イエローやグリーン、レッドなど、原色の色で形作られた服を着ています。これは、活発でエネルギッシュだというだけでなく、原色のカラーが他の色に混ざり、色を変えてしまうように、彼女の存在がセバスチャンを変える者であることの表れと見ることもできます。
 そんな彼女も、セバスチャンと距離をおいて、再度彼に説得されてオーディションに向かう時の服装は、以前と違い、淡い色になっています。これは彼女が以前まで持っていた、夢に対する莫大かつ根拠のない希望が少し薄れ、冷静になったことの表れと見ることができます。
 そして、歳月が流れ、二人が再開する時の彼女の服装は黒色。大女優として成功して、大人らしくなったその姿の裏に、どこか寂しさ・孤独を感じます。セバスチャンのピアノを聴いて彼女が、もしここでこうだったらと、回想するのもその寂しさがあるからでしょう。かつてピアノを弾いていたセバスチャンの隣で歌っていたように、隣にいないという事実がいっそう孤独にさせています。

以上二つの映画を見てきましたが、映画の中で、衣装は多くの示唆や表現を私たちに届けています。ですが、衣装に着目して映画を見ることが稀なため、これに普段なかなか私たちは気付けません。一度見たことのある映画をもう一回見る時、一度衣装に着目してみませんか?きっと違う映画の姿が見えてくるはずです。

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